法の下の平等
- 憲法14条1項は、法の下の平等を規定する
- 法の下の: 法適用だけでなく法内容の平等までを意味する
- 平等: 相対的平等を意味する(合理的理由による区別を許容する)
- 人種、心情、性別、社会的身分または門地: 限定列挙ではなく例示列挙を意味する
憲法14条1項 すべて国民は、法のもとのに平等であって、人種、心情、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない。
判例: 生後認知児童国籍確認事件
- 法律上の婚姻関係にない日本人Xとフィリピン人Yとの間で日本国内において出生したZについて、出生後に父から認知を受けたことを理由として、国籍取得届を提出したが認められなかったため、日本国籍を有することの確認を求めて訴えを提起した
- 嫡出子の身分を取得するか否かは子自身に変えることのできない父母の身分行為に関わる事柄であり、このような事柄を持って日本国籍取得の要件に区別を生じさせている国籍法は、過剰な要件を課しているといえる
血統主義と出生地主義
- 血統主義: 親のどちらかの国籍がこの国籍となる(日本)
- 出生地主義: 自国で生まれた子を自国民とする
判例: 尊属殺重罰規定事件
- 尊属殺の法定刑を死刑と無期懲役に限る刑法200条は、刑法199条の殺人罪に比べて加重の程度があまりに厳しいため、憲法14条1項に違反する
判例: サラリーマン税金訴訟
- 所得税法が必要経費の控除について、事業所得者と給与所得者との間に区別を設けることは憲法14条1項に違反しない
判例: 外国人職員承認試験拒否訴訟
- 地方公共団体が日本国民である職員に限って管理職に昇任することができるとする措置をとることは、憲法14条1項に違反しない
判例: 売春条例事件
- ある地域のみ条例で罰則規定が設けられるなど、取り扱いに地域差が生じることは、憲法14条1項に違反しない
判例: 非嫡出子相続分規定違憲事件
- 非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする民法900条4号但書の規定は、そのような差を生じさせる合理的根拠は失われており、憲法14条1項に違反する
判例: 女子再婚禁止規定違憲事件
- 女性にのみ6ヶ月の再婚禁止期間を定める民法7333条1項の規定は、100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分については、憲法14条1項に違反する
- 現在では再婚禁止期間の規定は削除された
判例: 旧優生保護法訴訟
- 特定の障害等を有するものを不妊手術の対象者と定め、それ以外のものと区別する旧優生保護法の規定は、合理的な根拠に基づかないため、憲法14条1項に違反する
議員定数不均衡訴訟
- 法の下の平等は、選挙権について、投票の価値の平等まで要請される
- 議員定数配分規定に著しい不均衡があり、かつ、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかった場合、違憲と判断される
判例: 衆議院議員定数不均衡訴訟
- 衆議院議員選挙において、各選挙区間の議員一人当たりの有権者の格差が最大約5対1に達していたことを理由として、公職選挙法に基づき、選挙無効の判決を求める訴えが提起された
- 本件議員定数配分規定は著しい不均衡があったと認められ、また、長きにわたってなんらの改正も施されていないことを斟酌すると、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったものと認められるため、本件議員定数配分規定は違憲と判断される
- ただし本件選挙の効力については、憲法に違反する議員定数配分規定に基づいて行われた点において違法である旨を判示するにとどめ、選挙自体はこれを無効としない
NOTE
事情判決により選挙自体は無効とならなかった
Ref
2026/01/25
- TAC 行政書士の教科書 第1編 Ch.2 Section.4