意思表示の効力
- 意思表示において、意思の欠缺または瑕疵ある意思表示があった場合、分類に応じて意思表示が無効または取り消し可能となる
- 意思の欠缺(けんけつ): 意思と表示がずれている
- 瑕疵ある意思表示: 意思と表示は一致しているが、プロセスが汚染されている
主観的態様
- 悪意: 表意者が事実を事実を知っている
- 善意(有過失): 表意者が事実を知らなかったが、不注意があった
- 善意無過失: 表意者が事実を知らなかったし、落ち度も全くない
不備の5分類
- 錯誤・詐欺・脅迫は、瑕疵ある意思表示であり、条件を満たす場合、取消すことができる
- 被害者は、善意無過失の第三者
- 心裡留保・通謀虚偽表示は、意思の欠缺を伴う意思表示であり、条件を満たす場合、無効である
- 被害者は、善意の第三者
錯誤
- 以下の要件を満たす場合は、表意者だけが、意思表示を取り消すことができる
- 錯誤に基づく意思表示である
- 重要な錯誤がある
- 表意相手に悪意重過失がある、または、共通錯誤である、または、表意者に重過失がない
- 共通錯誤: 表意者と表意相手とが共に錯誤している状態
動機の錯誤
- 錯誤した動機に基づく意思表示は、動機を表意相手に明示的または暗示的に伝えていない限り、取り消すことができない
- 例)爆弾が埋まっていると思って土地を安く売ったが、実際は埋まっていなかった
詐欺
- 詐欺による意思表示は、取り消すことができる
第三者の詐欺
- 第三者が詐欺によって表意者に意思表示をさせた場合、表意相手が有過失であれば、意思表示を取り消すことができる
第三者に対する取り消しの効力
- 詐欺取り消しの前に行われた善意無過失の第三者の意思表示に対抗することはできない
- 例)詐欺師Aに売らされた土地について、取り消しを行う前にAがBに転売した場合、Bが善意無過失である限り、土地を取り返すことはできない
- 不動産取引の場合、詐欺取消後に行われた第三者の意思表示については、登記をしなければ第三者に対抗することができない
- 例)詐欺師Aに売らされてBに転売された土地について、転売前に取り消しを行った場合、先に登記をした方が所有権を持つ
脅迫
- 脅迫による意思表示は取り消すことができる
第三者の脅迫
- 第三者が脅迫によって表意者に意思表示をさせた場合、無条件で意思表示を取り消すことができる
第三者に対する取り消しの効力
- 脅迫取り消しは、第三者の意思表示に対抗することができる
通謀虚偽表示
- 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効である
第三者に対する無効の効力
- 通謀虚偽表示による無効は、善意の第三者に対抗することはできない
- 例)「あの契約、実はAとBが仕組んだ嘘だったから取引なかったことにして」は通用しない
- 第三者とは、当事者および包括承継人以外のもので、虚偽表示による法律行為の存在を前提として利害関係に入った第三者のこと
- 通謀した当事者は、第三者ではない
- 包括承継人(相続者など)は、第三者ではない
NOTE
包括承継人が結構ややこしそい。借地借家法などの前提知識が必要
類推
- 相手方と実際に通謀していなかった場合でも、類推により通謀虚偽表示とみなされる場合がある
- 例)Aが勝手に登記を書き換えていることを知りながら、放置した場合
- 表意者の帰責性と、第三者の信頼により、無効の効力が変わる
- 表意者が積極的に関与した場合、善意の第三者の意思表示に対抗することはできない
- 表意者が関与していない・放置した場合、善意無過失の第三者の意思表示に対抗することはできない
転得者と絶対的構成
- 第三者からさらに権利を譲り受けたものを、転得者と呼ぶ
- 第三者に無効の効力が及ばない場合、転得者にも悪意の有無に関わらず、無効の効力は及ばない
- 善意の第三者が確定的に有効に取得した権利は、転得者に悪意があろうと、権利は承継される理論を絶対的構成と呼ぶ
心裡留保
- 表意者が真意とは異なると自覚しながらする意思表示は、原則有効である
- ただし、相手方が悪意有過失であれば、無効である
第三者に対する取り消しの効力
- 心裡留保の無効は、善意の第三者の意思表示に対抗できない
Ref
2026/01/24