能力の設計

  • 権利能力: 権利や義務の主体となる能力。
  • 意思能力: 行為を認識できる精神能力。欠くと全ての法律行為は無効
  • 行為能力: 単独で有効に契約できる能力。欠くと法律行為は取り消し可能

能力が認められる要件

  • 権利能力: 出生の時から
  • 意思能力: 7~8歳以上、かつ、泥酔していない
  • 行為能力: 制限行為能力者でないこと

例外: 胎児の権利能力

  • 胎児は、例外的に、以下の3つの権利についてのみ、出生した瞬間、遡って権利能力を有する
    • 損害賠償請求権
    • 相続
    • 遺贈

制限行為能力者

  • 未成年: 18歳未満
  • 成年被後見人: 弁識を欠く
  • 被保佐人: 弁識が著しく不十分
  • 被補助人: 弁識が不十分

法定代理人の権利

  • 同意権: 事前に制限行為能力者の法的行為を認めることができる
  • 追認権: 事後に制限行為能力者の法的行為を認めることができる
  • 代理権: 制限行為能力者に代わって法的行為を行うことができる
  • 取消権: 制限行為能力者の契約を取り消すことができる

未成年の法定代理人(保護者)が持つ権利

  • 法定代理人は、以下の行為以外に対して、同意権を持つ
    • 未成年が単に権利を得るまたは義務を逃れる行為
      • 負担のない贈与、および、債務逃れなどが該当する
      • 債務の弁済を受ける行為は、将来の利息を受ける権利を失くすため、該当しない
    • 法定代理人が目的を定めて処分を許した財産を、未成年が目的の範囲内で処分する行為
    • 法定代理人が目的を定めずに処分を許した財産を、未成年が処分する行為
    • 許可された営業行為
    • 身分行為(婚姻、養子縁組)
  • 法定代理人は、追認権を持つ
  • 法定代理人は、代理権を持つ
    • ただし、未成年に負債を生ずべき契約は本人の同意が必要
  • 法定代理人は、同意が必要にもかかわらず同意なく行われた法律行為について、取消権を持つ

成年被後見人の法定代理人(成年後見人)が持つ権利

  • 成年後見人(法定代理人)が保護権利を自由に行使できる状態するには、事前に一定の者が裁判所へ後見開始の請求を行う必要がある
    • 成年後見人は、複数でも、法人でも構わない
    • 成年後見人が単独の場合、暴走を防ぐために、後見監督人をつける場合がある
  • 成年後見人は、同意権は持たない
    • 弁識を欠いているため、事前の同意に意味がない
  • 成年後見人は、追認権を持つ
  • 成年後見人は、代理権を持つ
    • ただし、居住用不動産を売却・賃貸・抵当権を設定する場合は家庭裁判所の許可が必要
  • 成年後見人は、以下の例外行為を除き、取消権を持つ
    • 日用品の購入その他日常生活に関する行為
    • 身分行為(婚姻、養子縁組)

被保佐人の法定代理人(保佐人)が持つ権利

  • 保佐人(法定代理人)が保護権利を自由に行使できる状態にするには、事前に一定のものが裁判所へ請求を行う必要がある
  • 保佐人は、同意権・追認権を持つ
  • 保佐人は、原則、代理権を持たない
    • 被保佐人の同意のもと、裁判所に代理権を追加で請求できる
  • 保佐人は、13条1項に定める10個の行為について、取消権を持つ
    • 裁判所に対象行為の追加を請求できる

被補助人の法定代理人(補助人が持つ権利

  • 補助人(法定代理人)が保護権利を自由に行使できる状態にするには、本人の同意のもと、事前に一定の者が裁判所へ請求を行う必要がある
  • 補助人は、同意権を持たない
    • 被補助人の同意のもと、13条1項に定める10個の行為についてのみ、同意権を追加で裁判所に請求できる
  • 補助人は、追認権を持つ
  • 補助人は、代理権を持たない
    • 被補助人の同意のもと、裁判所に代理権を追加で請求できる
  • 補助人は、同意権を持つ場合に限り、同意が必要にもかかわらず同意なく行われた法律行為について、取消権を持つ

取消権の濫用防止制度

催告権

  • 法定代理人が取消権を行使しうる契約について、制限行為能力者の契約相手は、催告権を持つ
  • 催告権を持つ者は、本人または法定代理人に対して契約の追認するかどうかを確認することができる
    • 決裁可能な人物(法定代理人、制限行為能力者でなくなった本人)に催告した場合、返事がなければ、追認したとみなされる
    • 決済不可能な人物(制限行為能力者本人)に催告した場合、返事がなければ、取消したとみなされる

詐術

  • 制限行為能力者が、行為能力を持つと偽って契約した場合、法定代理人は取消権を行使できない
  • 明示的に偽らずとも、制限行為能力者であることを黙秘し、他の行動と合わせて相手型を誤信させた場合は、詐術に当たる
    • 終始沈黙した場合は、詐術にあたらない
    • 法定代理人の同意を得ていると信じさせた場合は、詐術にあたる

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2026/01/22