契約の成立

  • 契約内容は当事者間の合意で自由に定められる (民法521条1項・2項)
  • 契約は、契約の申し込みに対して相手方が承諾したときに成立する (民法522条1項)
    • 諾成契約: 承諾のみで成立する契約
    • 要物契約: 承諾の他に物の引き渡しなどを要する契約

申込と承諾の効力発生

  • 申込と承諾は、相手方に到達した時に効力を生じる (民法97条1項)
    • 意思表示は、相手方が了知し、または、了知し得るべき状態に置かれれば、到達したと言える

隔地者間の契約

  • 承諾の期間を定めてした申込みは撤回できない (民法523条1項)
    • 期間内に承諾の通知を受け取れなかった場合は、その申込みは効力を失う (民法523条2項)
  • 承諾の期間を定めないでした申し込みは、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回できない (民法525条1項)
  • 申込の通知を発した後に申込者が死亡した場合、原則、相手方に到達した申し込みの効力は生じたままとなる (民法526条)
    • 申込者が自身が死亡した場合に申込の効力が失われる旨の意思表示をしていた場合は、申し込みは効力を有しない
    • 相手方が承諾の通知を発するまでに申込者の死亡を知ったときは、申込は効力を有しない
  • 承諾期間経過後に承諾された場合、申込者は、相手方からの新たな申し込みと見なすことができる (民法524条)
    • 期限切れの申込に承諾しても、その時点では契約は成立しない
  • 変更を加えた上で承諾された場合は、申込の拒絶とともに相手方から新たな申し込みがあったものとみなされる (民法528条)
    • 改変した上で承諾されても、その時点では契約は成立しない

同時履行の抗弁権

  • 同時履行の抗弁権により、双務契約においては、相手方が債務を履行を提供するまでは自分の債務の履行を拒むことができる (民法533条)
    • 認められる例
      • 契約解除や取り消しによる原状回復義務
      • 受取証書の交付と弁済
      • 建物、敷地の明渡など
    • 認められない場合もある
  • 同時履行の抗弁権を主張することで代金支払い期日を過ぎたとしても、債務不履行にはならない
    • 弁済を提供した上で代金を請求すれば、債務不履行扱いにできる
    • 弁済を提供したが弁済できなかった場合、再度履行の請求をする際は再度弁済の提供をする必要がある

危険負担

  • 当事者双方の責めに期することができない自由によって債務履行ができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる (民法536条1項)

第三者の為にする契約

  • 当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する (民法537条1項)
  • 第三者が受益する権利は、第三者が債務者に対して契約の利益を享受する意思を表示したとき (民法537条3項)
    • 権利発生後は、当事者間の合意で契約内容を変更したり消滅させたりすることはできなくなる (民法538条1項)
    • 権利発生後は、相手方が債務を履行しない場合であっても、債務者は第三者の承諾を得なければ、契約を解除することができない (民法538条2項)

契約の解除

  • 契約したが相手方が債務を履行しない場合、契約の解除権が発生し、相手方への意思表示で契約を解除できる

解除要件

催告による解除

  • 相当の期間を定めて履行の催告をし、期間内に履行がないときは、契約を解除できる (民法541条)
    • ただし、社会通念上軽微な不履行であれば、解除できない (民法541条)
    • 債務の不履行が債権者の責めに帰する場合は、解除できない (民法543条)
    • 期間を定めずに催告をしたとしても、客観的に見て相当な期間を経過した時は、契約を解除できる
    • 期間内に債務者が利口を明確に拒絶した場合は、即座に解除できる
  • 解除権者が解除権を有することを知りながら、既履行債務の復元を困難にする行為をとった場合、解除権が消滅する (民法548条)

催告によらない解除

  • 以下の場合は、催告をせずに直ちに契約解除ができる (民法542条1項)
    • 債務の全部の履行が不能であるとき
    • 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき
    • 債務の一部の履行が不能又は拒絶された上で、その一部を欠けば契約をした目的を達することができないとき
    • 一定期間内に履行しなければ契約の目的を達することができない場合において、債務者が履行をせずにその時期を経過したとき
    • 債務者が履行をせず、催告をしても契約の目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき

解除の効果

原状回復

  • 契約解除された場合、契約の履行として受け取ったものがあれば、それは元に戻す必要があり、これを原状回復義務と呼ぶ (民法545条1項)
  • 原状回復義務に基づく回復は、登記などの対抗要件を備えた第三者に対抗できない (民法545条1項)

Ref

2026/03/21

  • TAC 行政書士の教科書 第2編 Ch.3 Section.6