債権と債務
- 双務契約: 双方が債務を負う契約 (売買契約など)
- 片務契約: 片方だけが債務を負う契約 (贈与契約など)
債権の種類
特定物債権
- 物の個性に着目し、その特定のものの引き渡しを求める債権を特定物債権という
- 所有権は契約時に移転する
- 売主側は、契約から物を引き渡すまでは善管注意義務が発生する
種類債権
- 目的物を種類のみで指定して取引した物の引き渡しを求める債権を種類債権という
- 渡す物は最終的に以下の時点で特定される
- 債務者が給付するのに必要な行為を完了したとき
- 債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したとき
- 渡す物は最終的に以下の時点で特定される
- 品質を定められないときは、中等の品質を有するものを給付すれば良い
- 物がなくなったり壊れた時は、別の物を調達して引き渡せば良い
- 特定語はその物を善管注意義務で保管する
- 所有権の移転は、物を特定したタイミング
金銭債権
- お金の支払いを請求する債権を金銭債権という
- 利息を生ずべき債権について特段の意思表示がなければ、利率は法定利率に依る (民法404条1項)
- 法定利率は年3%で3年ごとに変動する (民法404条2項3項)
選択債権
- 数個の給付の中から選択によって定まる債権を選択債権と呼ぶ (民法406条)
- 特約がない限り選択権は債務者にある
- 選択権の行使は相手に対する意思表示によって行う
- 意思表示は相手の承諾を得なければ撤回できない (民法407条1項・2項)
- 選択権を有する者の過失によって選択肢の引き渡しが不能となった場合は、債権はその残存する物について存在する (民法410条)
債務不履行
履行遅滞
- 履行遅滞とは、履行期日を過ぎても債務を履行しないこと
履行遅滞となる時期
- 確定期限のある債権の場合、期限が到来した時 (民法412条1項)
- 不確定期限のある債券の場合、いずれか早い方 (民法412条2項)
- 債務者が期限到来後に履行の請求を受けたとき
- 債務者が期限到来を知った時
- 期限のない債権の場合、債務者が履行の請求を受けた時 (民法412条3項)
履行不能
- 履行不能とは、債務の履行が債務の発生原因や社会通念に照らして不能であることを言う
- 債権者はその債務の履行を請求することができない (民法412条の2第1項)
- 履行不能の場合、当事者双方の責めに帰することができずとも、その不能は債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる
受領遅滞
- 受領遅滞とは、債権者が債務の履行を受けることを拒んでいる、または、受けられないために受領が遅れていることを言う
- 受領遅滞の間は、債務者は善管注意義務を負わない (民法413条1項)
- 受領遅滞によって発生する損害は債権者の負担とする (民法413条2項)
- 受領遅滞の場合、当事者双方の責めに帰することができずとも、その遅滞は債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる
損害賠償請求
- 債権者は、債務者が債務に従った履行をしない、または、できない場合に、生じた損害の賠償を請求することができる (民法415条1項)
- ただし債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは認められない (民法415条1項但書)
賠償額
- もし当事者間で事前に合意した損害賠償の予定額が採ある場合は、その額が採用される (民法) (民法420条1項)
- 賠償の範囲は、損害の種類により定められる
- 通常損害(通常予見しうる損害)については、常に請求できる (民法416条1項)
- 特別損害(通常予見し得ない損害)については、相手方が特別の事情を予見すべきだった場合は請求できる (民法416条2項)
- 債権者の過失が評価され、過失相殺が勘案される (民法418条)
- 金銭債務の場合は以下の特則が適用される
- 債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における利率により計算される (民法419条1項)
- 債権者は、損害の証明をする必要がない (民法419条2項)
- 債務者は、不可抗力を抗弁できない (民法419条3項)
履行の強制
- 債務者が任意に債務履行しないときは、債権者は民事執行法その他強制執行の手続に関する法令規定に従い、履行の強制を裁判所に請求することができる (民法414条1項)
Ref
2026/03/05
- TAC 行政書士の教科書 第2編 Ch.3 Section.1