占有権
- 占有権とは、所有権とは別であり、物を所持している状態そのものを権利として保護するもの
占有権の成立
- 占有権は、自分のためにする意思と物の所持があれば取得できる (民法180条)
- 占有者が占有物について行使する権利は適法に有するものと推定される
- 善意の占有者は占有物から生ずる果実を取得する (民法189条1項)
- 善意の占有者であっても訴えに敗訴した場合は、提訴の時から悪意の占有者とみなされる (民法189条2項)
代理占有
- 占有権は、他人に所持させている物に対しても認められる (民法181条)
- このことを代理占有と呼ぶ
- 所有権を持つ者が、持たない者に賃貸した場合、両者共に占有権を持つ
- 貸主の状態を、代理占有(間接占有)と呼ぶ
- 借主の状態を、自己占有(直接占有)と呼ぶ
占有権の譲渡
簡易の引き渡し (民法182条2項)
- 貸主が借主に売る場合、単に意思表示だけで売主が持っていた占有権を譲渡できる
占有改定 (民法183条)
- 売買による所有権移転後も売主が物を預かる場合、売主が占有の意思表示をすることで買主も占有権を取得できる
指図による占有移転
- 貸主が借主を変えずに第三者に売る場合、貸主が借主に占有権移転の指図を行い、第三者の買主に承諾があれば、第三者の買主は所有権と占有権を獲得できる
占有の性質
- 自主占有: 所有の意思のある占有
- 他主占有: 所有の意思のない占有 (賃借人など)
- 以下のいずれかの場合は、当初が他主占有であったとしても、自主占有に切り替わる (民法185条)
- 占有者が自己に占有させたものに対して所有の意思表示をした場合 (賃借人の自身の所有と主張するケース)
- 新たな権原によりさらに所有の意思を持って占有を始めた時 (賃貸人から買い取ったケース)
- 以下のいずれかの場合は、当初が他主占有であったとしても、自主占有に切り替わる (民法185条)
占有訴権
- 占有回収の訴え: 占有物が奪われた場合
- 占有を奪われた時から1年が経過した場合、占有回収の訴えを起こすことはできない
- 奪われた上で善意の特定承継人の手に渡った場合、占有回収の訴えを起こすことはできない
- 占有保持の訴え: 占有物が妨害された場合
- 占有保全の訴え: 占有物が妨害されそうになっている場合
Ref
2026/02/28
- TAC 行政書士の教科書 第2編 Ch.2 Section.3